映画標的の島 風(かじ)かたかプレイベント

2017年9月30日(土曜日)

沖縄 見る・聞く・踊る・考える記録


 

 8月に計画して準備を始めた映画「標的の島 風(かじ)かたか」のプレイベント「沖縄 見る・聞く・踊る・考える」が予定通り開かれました。その前日には十人十色の仲間が集まって、参加者にお渡しする沖縄のお菓子・サーターアンダギーを作りました。

 

 当日の9月30日、会場に並べた椅子は70脚。用意したサーターアンダギーも70個。どれくらいの人が参加して下さるかと少し不安を抱えながら開場しました。高林公民館の多目的室前の受付けで名前を書いていただいてサーターアンダギーと塩黒糖を一つずつお渡しして会場に入っていただきます。1時30分開始の予定が10分ほど遅れましたが、もうその時にはほとんどの椅子が埋まっていました。

 

 

「1フィート映像で綴るドキュメント沖縄戦」

20分に編集したもの。米軍が沖縄をどのように蹂躙していったのか?日本軍との戦闘に沖縄の人々を巻き込み、日本軍の命令で人々が戦闘に駆り出さたこともあってたくさんの人が殺されました。県民の四人に一人が沖縄戦で亡くなったと言われています。

「三線演奏」

 「てぃんさぐぬ花」「安里屋ユンタ」「芭蕉布」「島々清しゃ(かいしゃ)」を三名の奏者が奏でる三線と、そのうちのお一人・比嘉篤昭さんの歌が会場を沖縄の空気で充たしました。

「誓い~私達のおばあに寄せて」

 2017年沖縄戦全戦没者追悼式で上原愛音さんが披露した詩を、十人十色の仲間のAさんが追悼式の画像をバックに朗読。

「沖縄への私の想い」

 沖縄に生まれて18歳で島を離れてから東京経由で栃木県で暮らしていると云う Iさんが、生活の中で感じ続けているモヤモヤした気持ちを打ち明けました。故郷から遠く離れて暮らしながらその故郷で起こっていることを知ってもすぐに跳んで行くこともできず、ここに居て何もできなくてやり切れないという気持ちが伝わって来ます。

 二度沖縄を訪ねたTさん。伊江島のヌチドゥタカラの家で謝花悦子さんの講和を聞いて、ひめゆり平和祈念資料館の展示をしっかり視て、辺野古で座り込み高江のテントに行き、そのすべてを通してまだ戦後が続いていることを思い知らされました。日本政府の県民の意思を無視した横暴なやり方に怒っているのだけれど、本土に生まれ育った自分は沖縄県で生まれたIさんと同じ気もちになれないのかとモヤモヤし始めたと話しました。

「『標的の島 風(かじ)かたか』 予告編上映」

「みんなで歌おう」

 ギターと三線の伴奏で会場の皆さんにもお馴染みの「島唄」「島人ぬ宝(しまんちゅぬたから)」「涙そうそう」を歌い、4曲目は余り知られていないかも知れない「今こそ立ち上がろう」(辺野古での抗議運動の先頭に立つ山城博治さんがよく歌う歌)で〆。

「踊ろう カチャーシー」

 沖縄ではお祝い事や宴会などで必ず踊る「カチャーシー」を比嘉篤昭さんの指導でみんなで踊りました。会場が俄かにカチャーシー大会になり、初めて踊る人ばかりなのにみんな笑顔で楽しくカチャーシーを踊って大いに盛り上がりました。

 

 

お陰さまで無事、成功裏のうちにこの会を終えることができ、参加して下さった皆さんに心から感謝しています。本当に有難うございました。参加者は演奏者も含め72人)

現在、日本の進む道がどうなるのか、その中で沖縄はどう扱われるのかが危ぶまれる情勢になっていますが、沖縄で何年も何年も続けられている抗議行動をお手本に諦めずに平和を守り抜きましょう。

10月14日から上映される「標的の島 風(かじ)かたか」は、日本を戦争へ引きずり込もうとしているアメリカ政府と日本政府の戦略を目の前に明らかにし、それに抗い闘いを続けている沖縄本土や石垣島、宮古島など南西諸島の住民の心からの怒りと、伝統芸能で結ばれている島の人々の明るさが伝わってくる映画です。是非ご覧ください。

写真提供:H.K.